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日記や読書の感想などのマイペース徒然ブログ。現在更新の頻度が低いですが、コメントは随時拝読しております。近況報告等はツイッターログでご確認ください。


by sukusuku-y
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「いのうえの 満月篇」 

やっと届いた!

『いのうえの 満月篇』

漫画家・井上雄彦先生がこの夏に上野の森美術館で開催した、

井上雄彦 最後のマンガ展

で公開された絵を完全収録した本。
7月に友達と二人で行ってきた。
「いのうえの 満月篇」 _c0179177_030040.jpg

そこで恐ろしく感動して、すぐに注文した。

美術館で展示、というから、たぶんバガボンドの原画展とかなのかなーと思って行ったら、
一枚いちまい飾られたものが、全部マンガのページ。
建物ひとつつかって、ひとつのストーリーになっている展示でした。
経路に沿って、歩きながら、宮本武蔵の死の瞬間を読んでいくかたち。

バガボンドという漫画は、宮本武蔵を主な主人公としてつづられていくために、
すごくたくさんのひとがしぬ。
武蔵が強くなる一方で、そのことは読んでいてけっこう苦しい。
(井上先生の画力のせいで、いっそう死がリアル・・・)
どっかで、武蔵が救われることを求めてたんだと思う。

そしたら、その気持ちがこのマンガ展で報われた。
ひとをたっくさん殺して強くなった武蔵は、本当なら否定されてしまうような人間だけど、
それでも彼を肯定する、っていう井上先生の渾身の作品だった。

ストーリーの内容もさることながら、ハッキリ言って、絵の力がとんでもない。
すべての絵が、台詞が、直截に私に入ってくるっていうか。。。

武蔵と出会った人たちが、一本一本トゲをぬいていくところなんかは、立体なんだよお!
こればかりは、この画集でも再現できてない(笑)
でも、適度に会場の写真が載せてあって、臨場感があるから、
現場に足を運べなかった人も必見の一冊です。

あー私この絵の前で泣いたっけな、とゆうのもあって、じぃんときました。
ていうか、美術館にはすごい数のヒトがいたんだけど、
みんなそれぞれの反応した絵(ページ)の前で立ち止まってたんだよな。
たぶん私の世代が多かったと思うけど、老若男女が衝撃を受けてるのを目の当たりにして。

何かをクリエイトするってこういうことなんだ!!!!

って、アタマをガーンって殴られたみたいな衝撃があった。
SLUM DANKを読んで青春とは何かを考えた世代だから、
井上先生は無条件にすごいと思ってしまうんだが、
やっぱりあの事態は尋常じゃなかった。
すごいひとだ。


満月篇のうしろに、いろんなひとの感想が載ってたけど、
そのなかに、浦沢直樹先生のコメントも載ってた!!
地味にうれしかった~。
新しく始まる浦沢さんの連載を読もうか悩み中。
浦沢さんの最高傑作は何かで、こないだ友達と議論してしまった。
私はMONSTERだと思うんやが、彼は20世紀少年だと!
まあどれもすばらしくおもしろいんだ。

そしたら、ホリエモンがブログで、
「浦沢直樹の最高傑作はMASTERキートンだ」と!
読んでない・・・

井上さんや浦沢さんは、漫画家っつうよりアーティストだなぁ・・・。
下手な政治家や経済人より、ずっと影響力あるもん。
by sukusuku-y | 2008-10-18 00:33 | 感想(books)